折り紙クリエイターshokoの 折り紙の日々

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マカン・マラン—二十三時の夜食カフェ

【マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ】

この話は、マカン・マランという名前のお店が舞台かと思うとそうでもない。
インドネシア語でマカンは食事。マランは夜。つまり夜食という意味。
シャールというドラァグ・クイーンが店主のカフェ。
物語の登場人物は色んな理由でこのマカン・マランにやってくる。

では、まずは春のキャセロール。
中間管理職の塔子は仕事に追われ、会社の早期退職者募集に怯える日々。
それでも与えられた仕事はきっちりこなす。
シャールは塔子に年代物の土鍋をプレゼントする。
そして彼女は新しく自分の人生を歩き出す。沢山の背負っていた荷物を投げ捨てるわけではなく、大切にしまって。

続いては金のお米パン
何とも中学生らしいというか、なんというか。
でも、私にもそんな悩みがあったのかもしれないなと思わせてくれる。
相手を大切に思うあまり、自分のことを犠牲にする。正しくないと分かっていても、それしか方法が思いつかないし。誰かに相談することも出来ないから。
柳田先生は面倒くさがりやかもしれないけど、多方面からモノをみようとするのはやっぱり素敵だと思う。
誰かが作る料理を美味しいと思えるのって、何て幸せなんだろう。

続いて、世界で一番女王なサラダ
さくらは下心があってマカン・マランを探すけど中々そのひっそりと佇むお店に辿り着けない。
フリーランスのライターとして働き、隠れ家カフェの特集を書かなければいけない。
この章は私の好きな表現が登場する。
「蝶々の華やかさの代わりに、空を切るトンボの潔さが見てとれた」
これ、とある女性の表現で本当にピッタリだと思う。
さくらは、シャールの作る食事を食べて大事な忘れていたことを思い出す。ライターになりたいと思った理由。
別にライターっていう肩書きが欲しかった訳じゃない。
人を元気にさせるなにかを書いてみたい。
たとえ勝ち組(メイン)になれなくたって、サラダにはサラダの意地がある。

ラストは大晦日のアドベントスープ。
ジャダの不器用で優しさが分かる章。
最後の老婦人(この方だけは名前が最後まで出てこない)の快活さが大好きだ。
きっとたくさんの苦しいことがあって、人を見返そうとする時に人はたまに誤った方向に進んでしまう。
でも、本当に信じられる人に出会ったら人はきっと違う自分をみつけられる。
「頑張れ」以外の応援の方法。
本音をみせた時の人との関わり。
そんなことを教えてくれました。
写真は私の大好きなお店から。

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