折り紙クリエイターshokoの 折り紙の日々

折り紙が1枚あれば、5分後には何かが出来上がっています

私が思う一流の接客

一流の接客って何だと思うだろうか。
自分に優しくしてくれること?
商品を売りつけないこと?
さりげない気遣いが出来ること?

私が今までで一番一流だと思った接客があったからそれを書いてみる。

私は小さい時から良く行くお寿司屋さんがあった。
何かお祝いがあると両親が連れて行ってくれた。
プールで25メートルが泳げるようになった時。
誕生日やひな祭り。
おじちゃんが(お寿司屋さんの大将)が握ってくれるお寿司はいつも美味しかった。

お店の前を通りかかると、いつも笑って話しかけてくれた。
「行ってらっしゃい」や「お帰りなさい」って。

段々違うお店にも行く年齢になって。
おじちゃんのお寿司屋さんに行く回数は減って行った。

20代の時。
仕事で悔しくて悲しくて、そんな思いをした仕事終わり。
無性におじちゃんの握るお寿司が食べたくなった。
14時を過ぎていた。
「おじちゃんの握ったお寿司どうしても食べたくなった」って言ったら
『光栄だよ!』と笑いながらお寿司を握ってくれた。
ラストオーダーはとうに過ぎていたのに。

その後おばちゃん(女将さん)が買い出しから帰ってきて、私とおじちゃんを見て凄く驚いた顔をした。
私はその時おばちゃんの驚いた顔の意味を知るのは1年以上後になる。

 

そのお店のどこが一流の接客かって?

おじちゃんの握ってくれたお寿司はやっぱり凄く美味しかった。
仕事がまた忙しくなって中々お店に行くことは出来なくなった。
おじちゃんのお寿司を食べに行こうと思ってまたお店に行ったのは1年が過ぎた頃。
お弟子さんがお店に一人で立っていた。
あれ?おじちゃんがいない。
丁度おばちゃん(女将さん)が裏口からお店に入ってきた。私の顔をみて
『shokoちゃん、いらっしゃい。』と言ってくれた。
「おばちゃん。お久しぶりです。おじちゃんは?」
おばちゃんがこう言った。
『あの人ね、shokoちゃんが前にお店に来てくれたでしょ。3ヶ月後くらいに死んじゃったのよ。ガンだったの。後継にってもう自分はお寿司は握ってなかったのよ。だからあの日久しぶりにあの人がお寿司握ってるからビックリしたの。あの人の最期に握ったお寿司を食べたお客さん、shokoちゃんなのよ。有難うね。』

そんなこと、全然知らなかった。

あの時おばちゃんの驚いた顔の意味もやっと分かった。
お弟子さんに任せると決めていたのに。
おばちゃんも何も言わずに過ごしてくれた。

きっと私がおじちゃんの握ったお寿司が食べたいと言ったから。
お金で買えない接客をおじちゃんは私に1年越しに教えてくれた。

 

人の命はいつだって有限。
誰かに会いたいと思った時、その人がこの世にいるとは限らない。